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平成30年10月19日
第10回 小児はり師の夢 – 足立繁久 – 森ノ宮校友会連載ブログ①
第10回<最終回> 小児はり師の夢
最終回ですがまだまだ小児はりの話を連投します。
本当はマタニティ鍼灸のこと、つわりケアのことなどいろいろ書きたいこともあるのですが、「小児はり師の夢」と題して最終回を締めくくろうと思います。(※小児はり師は私の造語です。このような資格はありませんのでご了承ください。)
前回 紹介した「かんのむしの小児はり」は短期で治療卒業するパターンです。しかし中には、年単位で通院してくれるお子さんもおられます。お子さんの体調管理を目的に、目立った症状はなくても定期的に通院してくれるケースもあります。日々の疲れや睡眠不足、咳・鼻水・発熱など…日常の体調不良を小児はりでその都度ケアしています。お母さんが当院の小児はりを信頼してくれているからできる通院パターンですね。
そして、このような子たちは年単位で来てくれるので治療のたびにいろいろな話をします。クイズや謎々(なぞなぞ)、しりとりで終わるときもあれば、学校の話、友だちの話もします。そして「将来、何がしたい?」この質問も子どもたちに必ず聞きます。
「子どもたちが夢を語ること」
これってとても大切なことだと思うのです。
年齢が小さいうちはたくさん夢を持っていますね。
「スポーツ選手になりたい」
「パイロットになりたい」
「アイドルになりたい」
「世界中に行きたい」などなど。
もう少し大きくなると照れ隠しもあって「夢は無い!」とつれない返事をする子も多くなりますが、言わないだけで、ナイショの夢は持っている様子です。それも悪くありません。胸に秘してこその夢です。
そして、そんなやり取りの中で、男の子にはこんなことを言っています。「大きくなったら先生と一緒にお酒を飲もう!」と。
お母さんは笑って(苦笑い?)聞いてくれていますが「お酒はマズそう…ジュースならいいよ。」と、お子さんは答えてくれます。
たわいもない話でしょうが、これも私の密かな夢です。
この夢を実現させるためには、若者と一緒にお酒を飲める体を維持しなければいけません。もちろん鍼灸で(笑)。
そしてもう一つのこんなことも言っています。「将来キミが結婚して赤ちゃんが生まれたら、ハリとお灸に連れておいで。」
当院の小児はりを受けた子どもたちが大人になった時に、自分や家族の健康を守るために鍼灸を選んでくれること…これは大きな目標であり、小児はりを行う私としては大事な仕事です。小児はりを受けたのに、その子の記憶にも思い出にも残っていない…これは私の小児はり師として仕事としては落第点です。
「小児はりで鍼灸の効果を体感すること」
「鍼灸で健康を維持するという習慣を身に着けること」
「東洋医学というもう一つの医学を知り、大人になった時にどこかの鍼灸院に訪れる…」
これが小児はり師として夢であり目標であり、重要な仕事だと思っています。
その結果、鍼灸院と鍼灸院が患者さんを通して繋がり合うということになれば本当にうれしいことです。
ということで、この記事を読んでくれた先生方の鍼灸院にうちの子たちが来院した時はどうか宜しくお願いします(笑)。
以上で10回の連載は最終回となりました。ありがとうございました。