第4回 柔道整復師と地域包括ケアシステム – 穴田夏希 – 森ノ宮校友会連載ブログ② 

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平成30年6月29日 
第4回 柔道整復師と地域包括ケアシステム – 穴田夏希 – 森ノ宮校友会連載ブログ② 

第4回 柔道整復師と地域包括ケアシステム

鍼灸師としてのテーマが続きましたが、今回は柔道整復師目線でのお話です。

医療と介護保険のダブル改定があり、両業界が対応に追われていたのはつい先日のことですが、柔道整復の業界にも大きな変化があったようです。まず一つは「授業カリキュラムの増加」と、もう一つは整骨院(接骨院)の「施述管理者になるための要件に、実務経験と研修の受講が必要になった」ということです。私が森ノ宮医療学園で柔道整復師の資格を取得したのが10年程前ですが、卒業と同時に開業するクラスメイトが一定数いたのを覚えています。今となっては反省していますが、実は私もその口で、卒業してすぐに雇われ院長を経験しました。

しかし、これからは資格を取得してからすぐの開業はダメ!と、なったようです。

しかも、開業に必要な実務経験年数は段階的に伸びていくようで、今後は独立開業のハードルが少しずつ高くなっていくと言えます。(詳細は厚生労働省ホームページか、本学園の葉◯先生に確認することをお勧めします。)

非常に大きな変化だと思います。柔道整復師の「資格を取得し即開業」というモデルケースに待ったがかかったわけですから。

すでに開業されている施術所においては、商売敵の増加傾向に歯止めがかかるという利点もあるかもしれませんが、養成校においては、カリキュラムが増える上、開業のハードルが上がることから、入学を希望する学生が減少する可能性をはらんでいます。

今回の改定をマイナスに捉える人も多いと思います。国はついに整骨院を潰しにきたな。そんな残念な声も聞こえてきます。

でも、こうも考えられるのではないでしょうか。柔道整復師の新しい価値の創出が望まれている。私はそのように捉えています。

確かに、柔整施術所は大阪などを中心に非常に多くなっており、歯科医院やコンビニと数を競うほどです。数が増えすぎたから歯止めがかかるのは当然という意見もあるでしょうが、柔道整復師に、柔整施術所に新しい社会的役割が望まれているように思います。例えば、本邦が取り組んでいる地域包括ケアシステム。

柔道整復師がこのシステムのなかでどのように活躍の場を作るのか。私たちが進む道の一つがここにあるように思います。

【理学療法士/柔道整復師/鍼灸師 穴田夏希(柔道整復学科7期)】

続く。

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