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平成30年5月24日
第7回 悩めるお母さんに鍼灸ができること – 足立繁久 – 森ノ宮校友会連載ブログ①
第7回 悩めるお母さんに鍼灸ができること
育児うつ・育児拒否・虐待…と近年、育児にまつわる嫌なニュースが多くみられます。
このような育児の問題に対して鍼灸ができることはないだろうかと考えずにはいられません。
鍼灸のケアでできること、それはやはり体を調えることです。
妊娠~出産、そして育児で疲弊したお母さんの体力を底上げすることは産後ケアになります。
そしてもうひとつ、お子さんの体を調えることもお母さんの心身を安定させることにつながります。
例えば、赤ちゃんの“夜泣き”がありますが、夜泣きが改善されるだけでも随分とお母さんの負担を減らせます。これも育児サポートな鍼灸といえます。
またメンタル面での産後ケアも重要です。
今のお母さんは“情報が多すぎること”もマイナス要因になることが多いです。
今はスマホやiPhoneで簡単に情報が手に入る時代です。
でもたくさんの情報が得られることは良いことに見えて、実はそうではありません。得られる情報には様々なものがありますから、必要な情報もあれば不必要な情報もあります。
情報で大事なのは、その良し悪しではなく、その人その時に必要な情報なのかどうか?です。
子育てに悩めるお母さんにとって、多すぎる選択肢は不要です。悩みや不安の中にいる人に必要なのは一筋の光であって、たくさんの意見ではないのです。
例えば、子育てに関するお母さんの悩みには『お子さんの症状に困っている…』といったシンプルそうな悩みに見えて、その裏側には、複雑な心情が隠れています。
「(かんのむしの症状で)こんなに泣いて怒るって変じゃないですか?周りにそんな子いなくって…」
「知り合いに聞くと、どの子も夜泣きしていないって聞くんですが…」
「ネットで調べると…うちの子って異常じゃないかと不安になります。」
このようにして常にお子さんの症状に悩んでいるうちに、どんどん悪い方向に考えてしまうケースは多々あります。
ネット情報を調べるだけでは、ネガティブ思考のループを断ち切ることは難しいものです。
特に心身が弱っていればいるほど、悪い方に考えてしまうものです。
実際に会って話を聴いた上で、「大丈夫ですよ」「心配ないですよ」とまずは安心できる言葉をかけてくれる人が必要です。この役割に適しているのが鍼灸師だと思うのです。
患者さんの不安や悩みを掘り下げて聴くことができる。
そして、その心情に添った言葉をかけられる。
さらには心だけでなく身体も鍼灸でケアできる…と、三拍子揃った強みが鍼灸師にはあります。
加えて、お子さんの症状までケアできたら、さらにお母さんの安心感は増すでしょう。
社会問題に対し制度や仕組みから変えるには難しいことですが、草の根活動的な個々の治療・ケアという形では鍼灸は得意分野といえます。
次回以降は、小児はりを中心にこのようなテーマで記事を書いていきます。
続く。