◆ ブログ
平成30年5月17日
第2回 在宅と鍼灸 ~地域と架け橋を作る~ – 穴田夏希 – 森ノ宮校友会連載ブログ②
第2回 在宅と鍼灸 ~地域と架け橋を作る~
こんにちは。穴田夏希です。2回目のコラム投稿となります。よろしくお願いいたします。
私は理学療法士として病院内でのリハビリテーション業務や在宅(訪問リハビリ)に日々関わっていますが、かつて鍼灸を生業としていた時には訪問鍼灸にも携わっていました。「訪問リハビリ」と「訪問鍼灸」。どちらも患者様のご自宅などの住まいに出向いて、リハビリや鍼灸施術を行うものです。訪問リハビリは主に介護保険(医療保険もあります)での利用が多く、訪問鍼灸に関しては医師の同意に基づいて、医療保険(療養費)の範囲内にて利用がなされます。制度の詳細については割愛しますが、昨今、医療や介護のトレンドは「在宅」にあると言えます。
以前に在宅に関わる介護支援専門員や看護師からこんなことを聞かれました。
「鍼灸師さんは家に来て施術してくれるのか」
「鍼は危なくないのか」
「どんなことをしてくれるのか」
もちろん、前述の通り鍼灸師が自宅へ訪問することは可能ですし、鍼は危なくないものだと言えますが、「どんなことをしてくれるのか」の問いについてはどう答えるべきか悩みました。鍼灸師となって十数年経つにも関わらず、未だに満足いく説明ができないという筆者の未熟さが際立つエピソードかもしれません。
ところで、皆様はそのような職業の方々に対し、適切な説明ができるでしょうか?
在宅に鍼灸の需要があることは確信していますが、さらに需要を広げるためには、その窓口となる介護支援専門員、または在宅医療の中心的な役割を果たしている看護師らと、コミュニケーションが取れる鍼灸師が必要です。地域包括ケアシステムが推進されている社会情勢を鑑みても、地域で活躍する職種との「架け橋」を作ること。鍼灸師の職域を広げるにはそのような活動が求められていると感じます。次号では他職種との「架け橋」の作り方について、私なりに具体的な提案をしたいと思います。
【理学療法士/柔道整復師/鍼灸師 穴田夏希(柔道整復学科7期)】
続く。