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平成30年5月15日
第1回 鍼灸師としての第一歩 – 穴田夏希 – 森ノ宮校友会連載ブログ②
第1回 鍼灸師としての第一歩
初めまして。森ノ宮医療学園専門学校 柔道整復学科(7期)を卒業した穴田夏希です。
元々は鍼灸師・柔道整復師として、クリニック・整骨院・訪問鍼灸・デイサービスなどで勤務してきましたが、その後は理学療法士の資格も取得しました。
現在は神戸市内の病院や在宅を中心に理学療法士として活動しています。もちろん、鍼灸師であることを忘れたわけではなく、今も百会に置鍼をしながら原稿を書いています。
セラピストとして医療や介護の現場に身を置くことで、少し離れたところから鍼灸や柔整業界を見ることができるようになり、その可能性について考えるようになりました。
鍼灸師、柔道整復師、理学療法士と三種の業務を経験したからこそ感じた「私たちのこれから」をメインテーマにして、ご批判を覚悟ではありますが、やや上から目線でコラムを書いていきたいと思います。
私が勤務している病院では、折に触れて私が鍼灸師であることを他職員に説明していますが、周りの反応は概ね良好です。ただ、鍼灸師の業務や、その効果について理解されているかというと、医療スタッフにおいてもほぼ周知されていません。つまり、鍼灸(師)についてはなんとなく良いイメージを持っているし興味もあるものの、詳細は不明の治療方法と認識されているように思います。もっと言えば、国家資格かどうかも知らない方もおられます。
ここに鍼灸師の現状が凝縮されているように思います。
鍼灸師の活躍するフィールドは多岐に渡り、最近では美容分野などでも活躍されているようです。鍼灸の多様性を否定するものではありませんが、根幹である「医療」としてのイメージが、相対的に希薄になっていくことは歓迎できません。
このコラムを見ていただいている方の中に、学生さんや方向性に悩んでおられる若手鍼灸師の先生がおられれば、迷わずに医師やコメディカルと仕事ができる環境を選ぶようお勧めします。
まず、鍼灸師の第一歩として、医療関係者と関わり、共通の言語を学ぶこと。ツボや東洋医学だけに詳しい鍼灸師、医学用語を知らない鍼灸師は、医療業界では役に立ちません。誰とも会話が成立しないからです。
医療に精通した鍼灸師が増えること。このことが私たちのこれからを左右すると思います。
【理学療法士/柔道整復師/鍼灸師 穴田夏希(柔道整復学科7期)】
続く。