大鍼師会広報誌「響」に卒業生が登場!!

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平成29年11月15日

大鍼師会広報誌「響」に卒業生が登場!!

公益社団法人 大阪府鍼灸マッサージ師会が発刊されている「響」という冊子があります。

この冊子に、森ノ宮医療大学保健医療学部鍼灸学科で教鞭を執られている

涌田 裕美子先生(専 /鍼灸学科30期)の記事が掲載されましたのでご紹介させていただきます。

安全な施術の担い手を 学生の鍼灸教育に情熱を注ぐ

鍼灸の安全性対策を専門に研究する 女性鍼灸師 涌田裕美子さんをインタビュー

どのような研究をされていますか?

以前は、 解剖に基づく経穴部位の安全性について研宛していました。2009年に経穴が国際標準化され日本の教科書が編纂された際、 新旧で部位の違いが一部認められました。中でも安全性を考慮し、頚動脈に隣接する人迎穴や扶突穴、眼球近傍の睛明穴等で比較検討いたしました。 また、尾崎朋文教授(森ノ宮医療大学)との共同研究では、頭頂孔(百会穴)や胸骨裂孔(ダン中穴)についても、検討いたしました。
4年前からは、刺鍼の安全性を主とした研究にシフトを移し、鍼灸学科の学生を対象とした「刺鍼に関する安全性調査」を行い比較検討しております。調査内容は、一般的に使用されている鍼の鍼体長や鍼体径、気胸、安全深度に関することなど、教育カリキュラムからの習熟度についてです。

家族との時間はどのように過ごされていますか?

学生教育と研究を行う立場から、以前は退勤が夜遅くなり、帰宅後もテストの採点作業などが当たり前の状況でしたが、子供を出産した4 年前からは、18時に大学を退勤し、19時には保育所へのお迎えがあり、あとは家庭のことに専念しています。また、休日には家族でできるだけ外出しており、 最近子供が興味を持っている電車を乗り継ぎ、車両がよく見えるビュースポットを探しに出かけていることが多いです。
スケジュール手帳を傍らに勤務時間内に仕事が終えられるよう職場の方々にも支えていただき、ONとOFF切り替えを可能にさせていただい
ます。年が明けてからは、自宅近くにある姉妹校の森ノ宮医療学園専門学校附属の施術所(みどりの風鍼灸院 )で勤務することになっていています。

健康で取り入れていることは

もちろん鍼灸を定期的に受けておりますが、昨年より「推拿」を学んでおります。中国では推拿は鍼灸と漢方に並び三大療法の一つといわれ、公式に医学として認められている治療法です。 別名「指鍼」とも言われており、東洋医学や経絡経穴の考えを素に治療していくところが好きですね。

学生に期待すること

学生には現場で医師とカンフアレンスできるレベルの鍼灸師になっていただきたいです。私が大学へ入職した頃、故・代田文彦先生(東京女子医科大学教授 )の「今後、鍼灸は残っても鍼灸師は残らない。」という文章を目にし、本大学の学生には患者様や医療関係者から信頼して施術を任せてもらえる鍼灸師になってもらいたいとの一心で向き合ってきました。大学生は専門学校生とは違い学修時間が多く、また自由時聞が多いこともあり大学生活を謡歌しょうとしてしまいがちですが、卒業してから第一歩を踏み出すのではなく、在学中からコツコツと理解を深めることが大切です。
特に、患者様への安心・安全な鍼施術は、鍼灸理論と共に、筋骨、血管、神経、臓器などの解剖学的立体構造を熟知することにより医療過誤は未然に防止することができます。安全な刺入深度を十分理解した上で、より効果のある施術ができるよう技術を磨き、多くの医療知識を備え、広い視野で物事を判断し 医師や他の医療関係者からも信頼が得られる鍼灸師として育ってもらいたいと願っています。

【法人本部校友室 北村 知子】